歯並び治療の
専門医院です
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Orthodontics
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上顎小臼歯の抜歯遅延を行った
矯正治療の一例
高橋矯正歯科クリニック(東京・世田谷)
治療例14の治療経過です。
・やや複雑な歯並び(叢生、開咬、上下前歯の前突、舌癖)の治療例です。
・この治療例では最終的に上下左右の小臼歯を抜歯して治療していますが、歯並びの状態によっては最初に抜歯をするのではなく、治療期間の途中で抜歯をする方が良い場合があり、上顎の歯列に叢生(ガタガタ)があっても、小臼歯の抜歯を遅延して治療する事があります。
・上顎大臼歯は小臼歯を抜歯すると容易に前方へ移動する性質があり、安易に上顎小臼歯を抜歯すると、抜歯空隙に向かって上顎大臼歯が前方移動してしまい、上顎の前歯部の後退が十分に行われないばかりか、奥歯の噛み合わせがずれてしまう危険性があります。
・このような上顎大臼歯の好ましくない方向への移動を防止する対策として、ヘッドギア、パラタルバー、矯正用ミニスクリュー(インプラント)などが使用されることがありますが、上顎の小臼歯の抜歯遅延もそのための有効な手段です。
・上顎の大臼歯は小臼歯を抜歯しない限り前方へ移動しませんので、適切な大臼歯の位置を保つための一手段となり得ます。なお、下顎の大臼歯は上顎に比べ、前方へ移動しにくい性質があります。
・上顎小臼歯の抜歯遅延を術式に取り入れる場合には、一時的に下の歯だけが後退する時期があります。この時期には上の前歯がなかなか引っ込まず、顔の輪郭や口元の形が治療前よりかえって悪くなってしまう事があります。
・鏡や写真を見て心配になっったり、周りの家族や友人などから顔のイメージの変化を指摘されて不安が高じてしまうことがあるかもしれません。しかし、この一時的な顔の変化は、最終的に得られる顔の形に至るまでの通過点です。その後上顎小臼歯の抜歯を行って、上顎の前歯部を後退させることにより、最終的には計画されたとおりの良い結果が得られますのでご安心ください。
・上顎小臼歯の抜歯遅延を行うかどうかを含め、どのような術式に従って治療するのが望ましいかは、ご希望の治療内容や目標および歯並びの状態によって変わります。
・いろいろな要素を総合的に判断し、治療をお受けになる患者さんご本人(と保護者の方)との話し合いによりどのような術式に従って治療を行うかを決定します。
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治療前の状態です。上下の歯並びがガタガタして前突しており、開咬も認められます。上唇がやや突出し、オトガイの後退感があります。
また、「本当の顎の位置」より前方で咬合する癖(二態咬合)が認められます。顎関節や口腔周囲筋がリラックスできる「本当の顎の位置(中心位)」は下記の写真よりさらに下顎が後退する位置です。
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まず上顎のみに装置をつけ、ガタガタを治すと共に、歯列の形を整えていきます。上顎小臼歯の抜歯はわざと抜かないで治療していきます。 |
装置を付けてから4ヶ月後の状態です。歯を抜かなくても、ガタガタは治っていきますが、前歯は引っ込みません。
また、上の歯並びのアーチの形が整うに従って、下顎骨が本来あるべき位置(中心位)に後方移動しています。
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さらに1ヵ月が経過した時点です。上顎の歯列形態がますます整い、上顎第1大臼歯間にパラタルバーが装着されました。
上の前歯には矯正治療を楽しむための色付きのモジュールも付けられています。 |
次に下顎小臼歯を抜歯し下顎歯列にも装置を付けます。
上顎大臼歯から下顎前歯部に顎間ゴムをかけ、下顎歯列の位置を是正しています。
この顎間ゴムは上顎の臼歯部から下顎の前歯部にかけられていますので、下顎の歯列が後方に移動する効果を発揮します。
一方、上顎に関しては、小臼歯の抜歯遅延、パラタルバーの装着、しっかりとした剛性を持つアーチワイヤーの装着などにより、歯列全体が一塊となって顎間ゴムの反作用に抵抗しています。
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さらに下顎前歯の整直(後方移動)を行い、下顎の抜歯空隙を閉鎖していきます。
この時点では、上下前歯の前後的関係のずれが治療前より一時的に大きくなるので、側貌はかえって悪くなることがあり、下の写真のように「鳥っぽい」口元の形になることがあります。
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下顎歯列の位置が正しくなった時点で、上顎第1小臼歯を抜歯し、上顎前歯部を後退させます。
この際にも、上顎大臼歯部の前方への好ましくない移動が起きないように注意します。
抜歯空隙は1か月に約1ミリ閉鎖され、それと共に上顎の前歯部が引っ込んできます。
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抜歯空隙が閉鎖し、前歯が後退しました。いよいよゴールが近づきました。
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矯正治療終了後の状態です。
臼歯も前歯も正しく咬合し、抜歯した場所にあった空隙は完全に閉鎖されています。
口元の形も良好です。
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後戻りが生じないように歯の裏側にリテーナーが装着されています。
この後は年に1度くらいの定期検査を続け、歯石や歯の着色をとったり、虫歯ができていないかチェックします。 |
<症例の掲載について>
・院長による症例をご本人様の承諾を得て掲載しています。
・診断用の写真を承諾を得ることなしに公開することは絶対にありません。
・当院のモデルとしてご協力を賜りましたことを心より感謝いたします。
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